用語集
葦原瑞穂国
(あしはらのみずほのくに)
かつてこの地に降り立った現人神の子孫とされる、皇によって統治されている国。神祇官と太政官による二官八省一台五衛府の制度を据える。一之宮を王都とする。
天王山(てんのうざん)
王都・一之宮の中心にそびえる人工の山。
古くにこの土地に暮らす氏族が、平和な時代を導くための助力を天に求めるために斎庭(神殿)を築いたのがはじまり。植樹はされているものの、人工物であるため、水場は山の外に確保する必要がある。
山の裾野には朝廷の官衙が集中し、中腹には朝議を行う朝堂院など重要な建物が配置されている。頂上付近には帝の宮殿があるが、下からは位置を把握することはできない。
典薬寮(てんやくりょう)
貴族や官人への医療サービスの提供と、医療従事者の養成、薬園等の施設管理を行っている。所属する官吏は医生という肩書を与えられ、必要な技術を学びながら業務に従事している。
典薬頭の和気によって改革を進めているが、貴族からの買収・恐喝などによって所属する薬師が「薬殺」に関与してしまうことになる。組織体制を浄化するために、和気は特権階級意識にとらわれない人間を官吏として採用すべきと考えるようになる。
弾正台(だんじょうだい)
帝室の護衛を専任とする武官たちで構成されている。行政の監察や左大臣以下の高官たちを摘発することが可能。帝室守護の任務を優先するため、監察機能のほとんどを検非違使へ譲渡している。
主馬寮(しょめりょう)
馬の管理や飼養、さらには輸送や牧場の管理・監督を主な業務としている。
雅楽寮(ががくりょう)
公的行事の演奏を担当し、演奏者の養育を主に行っている。
修治(しゅうち)
生薬を調製する際に施す処理のこと。虫の除去、乾燥の促進、薬効の増強・変化や毒性を弱めることなどを目的とする場合もある。
四等官(しとうかん)
官庁の管理職に当たる4つの役職。4つそれぞれ「かみ」・「すけ」・「じょう」・「さかん」と読むが、省庁のランクによって充てられる漢字が異なる。和気は典薬寮の「頭」で、木暮は圖書寮の「属」である。
薬種運(やくしゅはこび)
直轄の薬園を持たない内薬司は供与の全てを典薬寮に頼っており、その供与のための薬種の選別と搬出を担っている。熟練の薬師たちが定期的な薬種供与のために薬種選別を丁寧に行っている。